【成功の秘訣】ありのままの自分を認める(比較は禁止です!)
私たちはよく人と比較をします。これは大人も子どもも、日本人も諸外国の人たちも同じです。
この「他者との比較」は、人が生きていく上で「必要だ」と感じる6つのニーズのうちの一つ「重要感」から来るもののようです。
世界No.1コーチと言われているアンソニー・ロビンズが唱えるシックス・ヒューマンニーズ(安定感、不安定感、重要感、愛・つながり、成長、貢献)のうちの一つ。
重要感とは、簡単にいえば「自分は特別な存在でありたい」という欲求ですが、これは他者からの評価を気にしていることから生じている感情だと言えます。
人が本能的に求めてしまう心理的なニーズ(欲求)なので、この重要感を持つことはある程度は仕方がないのかもしれませんが、あまり強く意識してしまうと今の世の中では生き辛くなるかもしれません。
特に、子どもたちはこの重要感を満たすために自分の重要度を「偏差値」で評価しがちです。自分の偏差値、受験校の偏差値、出身校偏差値などです。
- 「自分の偏差値は55くらい」
- 「受験校の偏差値は58だ」
- 「私は〇〇学校出身だ(偏差値60だよ!)」
また、親も子育てにおいて自分の子どもの偏差値を気にしがちです。歯に衣着せぬ言い方をすると、自身の子どもの偏差値によって自分は特別であると感じたいのです。
このように、つい私たちは「他者と比べる」ということをしてしまいがちですが、これには悪影響があると言われています。
「良い子」は本当に良いの?
子どもたちは誰しも「良い子」になりたいと思っています。子どもは親の評価を気にし、学校の先生や塾の先生の評価を気にかけます。子どもにとっては、親や先生からの評価が自身の重要感を満たしてくれるのです。
けれども残念なことに、子どもたちの戦いはほとんどが負け戦で終わることになります。
理由は簡単です。「良い子であろう」「良い評価を得よう」「より偏差値を上げよう」としていくら努力をしてもゴールがないためです。
それはそうです。いくらやっても、上には上がいるのです。全国1位にならない限り、終わりのない戦いを強いられているのです。
このような戦いを幾度となく繰り返していく中で、子どもたちは「やってもできない」「自分はダメだ」という気持ちを持つようになり、「自己肯定感」を下げていくことになります。
ありのままの自分を肯定する感情。今の自分を好意的に評価できる気持ち。
真面目な子ほど、言い訳をすることなく「ダメな子」という烙印を受け入れてしまいます。
➡ 人より良い結果を得たい
➡ でもなかなか得られない
➡ 自分はダメな子かも…
「頑張ること」は大切だという言い分も分かりますがその前に、頑張らない「ありのままの自分」も評価されないといけません。今の現状を評価された上で、向上していくことがものすごく大切なのです。
日本の子どもの「自己肯定感」
事実として、日本の子どもは他の国と比較して自己肯定感がものすごく低いことがさまざまな調査で見て取ることができます。
詳細は次のブログにまとめておいたのでご興味があれば一読ください。
あまり悲観的な情報発信は好きではないのですが、なかなか厳しい結果になっています。
日本の子どもたちの自己肯定感
【データ】子ども(若者)の自己肯定感
直近10年以内の、子どもの自己肯定感を諸外国と比較したデータです。
直近10年間の公的な調査では、日本の子どもたちの「自己肯定感」はかなり低いという結論になっています。世界でほぼドベだと言っても過言ではないくらいの結果です。
原因はさまざまなものが考えられるでしょうが、一般的には「偏差値至上主義」が挙げられます。私も、大きな原因はそうだと思っています。
「偏差値」の扱い方
特に酷いと感じるのは、国立青少年教育振興機構が行った「高校生の生活と意識に関する調査」にある「私は勉強が得意な方だ」と答えた高校生が23.4%しかいなかった点です。
*地軸の傾き程度なんです!(冗談
そもそも、得意かどうかの判断は周りを見渡して「どちらかというと出来ている方だな」もしくは「どちらかというと出来ていない方だな」という感じで、真ん中(中央値や平均値)より上か下かで判断するものだと思います。なので、50%は「どちらかというと得意だ」と返事してなくてはいけません。
この由々しき事態の原因は偏差値の扱い方です。偏差値51ならば「勉強は得意な方ですね」と言えるはずなのに、大抵の場合は、「偏差値51ではダメだ。もっとがんばれ!」ということになってしまいます。しかも、それが全教科に及ぶわけです。鬼厳しすぎでは?!
- 全教科最低でも偏差値〇〇!
- この教科は偏差値50以上なのでいいじゃん!
これは平均点に置き換えても全く同じ話です。「平均点くらいしか取れない」「平均点さえ取れない」という言葉が物語っています。
ちなみに、この調査は4か国(日本、米国、中国、韓国)で行われたものですが、日本23.4%、米国65.6%、中国65.1%、韓国31.6%という結果です。韓国も偏差値至上主義なので、同じ状況ではないかなと思います。
「2:6:2の法則」というものがあります。組織化された集団では、優秀な人が2割、普通の働き手は6割、働かない人が2割というものです。日本の23.4%はまさに2割ちょっと!成績の評価もてこ入れしなければ上位2割の生徒たちのみが「良い」と感じるのかもしれません。もしそうならば、指導者がてこ入れして評価を変えさせないといけません。
まとめ
自己肯定感を下げてしまう原因は「他者との比較」です。「他人と比較して自身の重要感が満たされた結果、自己肯定感が高まる」では、ほとんどの人(子どもだけではなく大人でさえも)が自信喪失で自己肯定感がダダ下がりになります。
自己肯定感は、物事を成功させるためには必要不可欠な力です。
誰とも比較することなく、偏差値のような数字に惑わされることもなく、「今の自分でOK」「ありのままの自分は悪くない」という気持ちを持てるようにしたいところです。