勉強を「好き」に変える方法が?!
「好きこそ物の上手なれ」
好きだと物事の上達は早くなるという意味の言葉です。
逆を意味する「下手の横好き」ということわざもありますが、たしかに好きだと上達は早くなるように感じます。
上達しやすくなる理由は、主に次の2つだと思います。
- 好きだと集中できる
- 好きだと長時間・長期間やり続けられる
また、「上達できるとより好きになれるので好循環になる」という点も大きなポイントだと言えるでしょう。
このように思うと、勉強も好きになれさえすればという思いが頭をよぎります。でも、そんな方法、あるのでしょうか?
「好み」の仕組み
実は、どんな物事でも「好き」だと感じさせる方法があります。脳を操作して「好み」を変える実験が成功しているのです。
こんな言い方をするとヤバいように聞こえますが、ロボトミーのように脳に電極針を刺して直接いじるわけでは決してありませんので安心してください。
「好み」を変える方法を理解するために、まずは「快」という状態とそれに伴う行動について整理してみましょう。
私たちが「好き」だと思う感情は、くり返しその状態になりたいがために生じています。脳はある行動をとって好ましい結果が得られると、またその状態になりたいがために何度もその行動をとろうとします。
この現象を「強化学習」といいます。
ある行動をとって好ましい結果(報酬)が得られると、同じ条件下でその行動を選択する頻度が強められるという現象
脳は「快」の状態になれると、再びその状態になるために同じ行動をしようとするわけです。そしてそのとき、私たちの心に生じている気持ちが「好き」というものなのです。
つまり、勉強をしているときに「快」な状態になることができれば、脳はその状態を好むためにくり返し勉強をしようとします。と同時に、私たちは「勉強が好きだ!」と思うようになるわけです。
しかし問題は、どうやって勉強をしているときに「快」の状態になるのかということです。
「好み」に変える方法
ここでポイントとなるのが、脳の「強化学習」は直接その行動で「快」の状態にならなくても間接的なものでも効果があるということです。
たとえば、晴れの日に会った人は、雨の日に会った人よりも評価が高まる傾向にあります。「快」の状態で会うと、脳はその人から「快」の状態にしてもらっていると錯覚するわけです。
つまり、他のことで「快」の状態になっている中で勉強をすれば、脳は勘違いをして「勉強しているときに「快」だなー」と捉えてしまい、「また勉強したい!」「勉強好きだ!」という感じになるわけです。
➡【脳は錯覚して】また勉強しようとする
➡【と同時に】「勉強好き!」と感じる
もちろん、突然「めっちゃ好きだ!」という風にはなれません。けれども、「嫌い」という感情を薄めたり、「嫌いではない」「ちょっと好きかも」という気持ちにすることは十分可能なのです。
勉強へのご褒美
そういう意味では、よく耳にする「勉強したらご褒美をあげる」なんかは悪くない方法だと言えます。「ゲームをしたら、その後は勉強をしましょう」とかもいい方法なのかもしれません。
まとめ
思えば、自身の子育ての時や塾の授業時においてもできるだけ楽しく学びができないだろうかと考えている気がします。
ほぼ無意識でしょうが、そうした方が勉強は捗るような気がするわけです。
勉強に対して直接「楽しい」「面白い」という気持ちを持てなくても、別の要因でOKなので「楽しい空間」「心地良い環境」で勉強してもらえば「勉強好きかも」と思えるようになれるかもしれません。