公立高校と私立高校の違いを整理してみました【入学から大学受験まで】
公立高校と私立高校の違いを整理してみました【入学から大学受験まで】
前回の「公立中学と私立中学の違い」の続きで、今回は高校編です。高校入学から大学受験までを比較整理してみます。
「公立中学と私立中学の違い」はこちらを見てください。
公立中学と私立中学の違いを整理してみました【保存版】
公立中学と私立中学の違いについてです。中学入学後から高校生になるまでを具体的に説明しました。大切なことを分かりやすく整理しています。
高校入学時
高校入学時、私立高校には高校によっての違いが少しあります。多いのは、中学からの進級してきた内部生と受験のよって編入してきた外部生が混ざる高校です。他には、高校受験によって外部生が入ってこない高校や、中学校が併設されておらず内部生がいない高校もあります。また、大学附属の私立高校で、いわゆる大学受験がない高校もあります。
公立高校に入学する場合も含めて、いずれの場合も入学時での大きな違いはありません。私立高校で内部生と外部生が混ざる場合も、授業進度の違いから1年次から混ぜることはできないので、そういう心配はありません。
高校3年間(公立編)
公立高校間に大差はない
公立高校は取り出して特徴があるわけではありません。私立ほどの校風がないといった感じでしょうか。
知っておいて欲しいことは、公立高校はほとんどの場合、県立(もしくは都立、道立、府立ですが、以下「県」での話で)のため県の教育委員会の管轄になります。ですので、高校の先生も県内で異動があり、常にシャッフルされています。上位の公立高校にいけばより良い授業が受けられるということはありません。
このため、上位の公立高校も、中堅の公立高校でも、学習面において大きな違いはありません。よって公立高校間での大差はないと言えるでしょう。
学習進度は「普通~たまに遅い」
学習進度はいわゆる普通です。大学受験のことを考えて、どこの公立高校でも高校課程の学習を高3の夏までに終わらせる予定にはしています。ただ、私立の高校と比べるとその意志というか使命感は弱く「間に合わないですね」の一言で終わることもあります!
ただし、これは僕の感覚的なものですが、その時のその教科の先生に能力がないといった感じではないのかもしれません。毎年どの先生が担当してもそんなことになりがちなので、その学校のカリキュラム自体に不備がある可能性も少なくないでしょう。(決して学校の先生と親しいが故の養護ではありません)
と、原因を追求しても価値はありません。原因が解明されても遅れることに違いはないからです。ただ、遅れる学校は毎年同じだと感じるので、気になるようでしたら事前に調べる価値はあるように思えます。
大学受験
大学受験における進路指導は、あまり公立とか私立といったものには関係がないように思われます。ぶっちゃけると、その先生次第といったところでしょうか。ただ、私立は合格実績を重要視するので指導が鬱陶しく、それと比べると良くも悪くも放任気味です。
また、大学への推薦ですが、私立高校と比べると枠は少ないです。また、使い勝手も様子が異なります。公立高校の場合は純粋に評定が必要になります。この評定とは、高1と高2の3学期分と高3の1学期の計7回の評定(いわゆる成績)の平均値です。この点数が単純に必要になります。
私立の場合ももちろん評定は必要なのですが、合格実績をより気にするので一般入試で受かる生徒には枠を使わせないことが多く、かつ枠が多いので一般入試で厳しい生徒には明らかに回ってきやすいです。この理由のため、私立では使いやすいイメージになります。裏を返すと、公立高校は推薦枠を取りにくいとなります。
「高校3年間(公立編)」のまとめ
- 公立高校間に大差はない
- 学習進度は普通~たまに遅い
- 進路指導は放任気味(自由)
- 推薦は厳しめ
高校3年間(私立:内部生編)
私立中学から進級した内部生たちは、慣れた学校生活をそのまま送っていくという点で特に大きな変化はありません。
編入してきた外部生との関係
ただし、高校受験での編入がある高校では、外部生たちは高校受験を経ているので中学の学習内容に取りこぼしがあまりなく学内順位の上位に食い込んできます。そのため、大抵の私立高校では、外部生の人数分だけ内部生たちは学内順位が下がることになります。
また、授業進度の違いのため、外部生が内部生と混ざるのは高校3年に上がるときです。まれに高校2年生のときに混ぜる高校がありますが、カリキュラム上かなり厳しいのでレアなケースになります。
学習進度
学校の学習進度としては、中学3年生のときに高1の内容をしているので、授業スピードが早いといった厳しさはありません。大雑把に言えば、高1のときに高2の内容、高2のときに高3の内容をすることになります。とは言っても、高3の内容までのすべてが終わるのは高3の夏ぐらいなので、最終的には他との違いはありません。
たまに中学から私立に通うと中学3年生のときに高校課程に入っていくので、高校の学習が他より早く終わると思っている方がいらっしゃいますが、そのような学校は滅多にありません。理由は、最終的には高校からの編入組とクラスが混ざるので、結果、高校の学習課程が終わる時期は同じになっています。
大学受験において
高校生になったことと、編入生からの刺激とが相まって、高校1年生になると中学生活ののんびりとした雰囲気からは抜け出す生徒がちらほらと表れてきます。「そろそろ勉強しないと」という感じで塾に通い始めます。上位の進学校では高校2年生になる頃にはほぼ全員が通塾しているといった様子です。
進路指導においては、合格実勢の問題があるので少し鬱陶しいです。学校側からしたら、受かったら儲けもの、確実に受かって人数確保、といった動きを見せてきます。
けれども、大学への推薦を考えるならば、それがプラスに転じます。合格実績を伸ばすために一般入試で受かる生徒に推薦枠を使わせません。また、公立高校と比べて枠も多くもっているため、よい大学が回ってきやすくなっています。
「高校3年間(私立:内部生編)」のまとめ
- 外部生がいると学内順位が下がる
- 学習進度は緩やか(早くない)
- 高校課程が終わるのが早いわけではない
- 高校生になると通塾し始める
- 進路指導は鬱陶しい
- 推薦はお得感あり
高校3年間(私立:外部生編)
公立高校との大差はなく、学習進度が少し早い
高校受験を経て私立高校に編入した場合、公立高校に通う場合とさほどの違いはありません。ほとんどの場合は、高校3年生まで内部生とは混ざらないので、2年間は外部生だけのクラス編成で授業が行われます。部活動はもちろん混ざることになりますが、学習面においては、内部生がいるかいないかで違いはありません。
ただ、公立高校と比べると、高校3年に上がるときに内部生に追いつかないといけないので進度は少し早くなります。必ず追いつかないといけないので、それを担保とすることができます。つまり、必ず追いついて高3の夏までにはすべての教科の授業が終了していることになります。
また、土曜に授業があったり、長期休みにも補習という名の普通の授業があったりと熱心には授業を行ってくれます。たまにない学校もあるのですが、そういう点においては公立高校と少し差があると言えるでしょう。
塾・予備校には通うことになる
しかし残念ながら、入学時にどれだけ高校側が「うちの高校は塾・予備校に通わなくても大丈夫な準備があります」といった話をしていたとしても、塾・予備校には通うことになります。
文科省の調査により、通塾率は公立高校と全く違いません。ただ、これは、学校側が嘘をついているとか、指導を怠っているという問題ではありません。単に子どもたちが受験生であるが故に塾・予備校に行きたいと感じてしまうということです。
大学受験において
これは私立高校の内部生と全く同じで「進路指導は鬱陶しい」「推薦は優しめ」です。
「高校3年間(私立:外部生編)」のまとめ
- 公立高校との差はあるが、大差はない
- 土曜・長期休みに授業あり(まれにない)
- 塾・予備校には通うことになる
- 進路指導は鬱陶しい
- 推薦は取りやすい
費用について
最後に費用についてです。
私立高校は塾代が余分にかかる
公立高校でも私立高校でも塾・予備校には通うことになります。私立高校の方が学校に拘束される時間が長いため、塾に通える時間が少なく、結果費用が抑えられる可能性はあります。しかし、基本的には塾・予備校には通うことになります。また、受験においての受験料などにも差はないので、単純に計算すると、学費の差額分だけ私立高校は余分にかかることになります。
私立高校は校風があり、特徴が公立高校と違って大きくあるので、子どもに合ったところを選ぶならば利点はあります。けれども、費用的には少なからず高くなります。いずれにしても私立に行けば塾・予備校の費用が抑えられるという計算はしてはいけません。私立の高校であったとしても、ほぼ100%の生徒が塾・予備校に通っているというのが現実です。
「費用」のまとめ
- 私立高校でも塾代は必要
- 私立と公立は学費の差額分だけ異なる
以上、前回「公立中学と私立中学の違い」の続きで高校編をお届けしました。少しでも参考になれば幸いです!