【勉強】言葉の力って知っていますか/「言葉の大切さ」について

勉強法

授業をしていてよく思うことがあります。それは「言葉をもっと大切にして欲しい」というものです。

たしかにテストで問われる用語はみんな覚えようとします。けれども、多くの生徒はテストで問われない用語は覚えようとしていません。

テストに出ない言葉はあまり覚えていない…

これで勉強ができるようになりたいというのはチャレンジャー過ぎです。

たとえば、新しく入塾してきた高校2年生で次のような状況があります。

先生「この文の動詞はどれですか」
生徒「動詞…、動詞って何ですか?
先生「大雑把にいえば、動作を表す言葉です。不規則動詞go-went-goneとかって覚えていますよね」
生徒「あー、それのことですか」

コレ、ヤバいですよね。「そりゃ、英語できないでしょ」ってなりますよね。

これは特殊なケースではありません。本当によくあるシーンなのです。英語が苦手ですといって塾に来ているわけですが、苦戦している大きな要因は「言葉を大切にしていないこと」なのです。

言葉の大切さ

言葉は勉強だけではなく生きていく上で極めて大切なものです。なぜなら、私たちは言葉を用いて物事を認識し、言葉によって思考し、言葉によって表現(意思伝達)するからです。

言葉
認識し、思考し、表現するのに不可欠なもの

認識、思考、表現はどれもなくてはならない能力で、勉強の世界でも当然欠かすことはできません。具体的に見てみましょう。

数学の世界

数学のテストで用語を問われることは滅多にありません。そのため、数学ではどの教科よりも言葉が軽視されがちです。

たとえば、次の式をみてみましょう。

x2 +5x +4
x2 +5x +4 = 0
y = x2 +5x +4

これらは、よく似ています。実際、似たような計算をすることも多々あります。そのため、多くの生徒がこれらを区別できていません。

しかし、実際にはこれらの式は似て非なるもので全く異なるものです。厳密に区別できていないと大学入試レベルの数学を解けるようにはなれません。

事実、それぞれの呼び名は異なります。

2次 x2 +5x +4
2次方程式 x2 +5x +4 = 0
2次関数 y = x2 +5x +4

「式」「方程式」「関数」という言葉を知り、それぞれの違いを認識しないと、いくら勉強をしても使い分けることができません。結果、問題を解けるようにはなれず、「数学は分かるぞ」という気持ちにもなれないでしょう。

英語の世界

英語の世界でも用語は重要になります。

たとえば、文の要素である主語、動詞、目的語、補語、修飾句というもの、いわゆるSVOCMです。

これは英語の基本のきですが、テストに出ないということで気にしていない生徒が数多くいます。そうすると次のような状況になります。

主語S、動詞Vという言葉を気にしていない(認識)
主語S、動詞Vが何なのか分からない(理解)
どれがSでどれがVか分からない(区別)

まさしく、冒頭で例として挙げた状況です。

数学と英語を例に挙げてみましたが、どの教科でも話は変わりません。言葉を大切にして覚えていこうとすることは、勉強ができるようになるためには必須のことなのです。

より高度に使えるようになる

話を付け加えておくと、言葉は学べば学ぶほど、より高度に使えるようになっていきます。

その主な理由は、言葉は知っていけばいくほど、より細かく物事を捉えることができるようになり、より詳しく認識・区別ができるようになるためです。


行く 這う ほふく
生き物 動物 ほ乳類 偶蹄目

たとえば、英語の「動詞」の場合、動作動詞と状態動詞、自動詞と他動詞といった感じで、より言葉を知ることで、より高度に理解していけるようになるわけです。

このような成長も、勉強ができるようになっていくためにはなくてはならないものです。

事実、小学生から中学生、中学生から高校生と学年が上がっていくほど、用いている言葉はより高度になっていくのです。

言葉の理解と学力は比例する

このように見ていくと、「言葉を大切にする」ことは極めて重要なことだと分かります。

中学受験や高校受験では目立ちませんが、大学受験になってくると各言葉をきちんと理解して使いこなせていないと、点数を取ることはほぼ不可能になっていきます。

わたしの肌感覚ですが、点数(偏差値)は、用語を正しく使いこなせているかどうかとほぼ比例しています。

点数(偏差値)が高い
用語を正しく使いこなせている

そういう意味では、勉強とは「学んでいる単元で用いている言葉を正しく理解していくことだ」と言えます。そして、問題集を解くという作業は「言葉を正しく理解するためにやっている」と言えるのです。

勉強とは
言葉を正しく理解していくこと
問題集を解くとは
言葉を正しく理解するための作業

まとめ

テストに出ない 重要視しない

ということで、用語はつい軽視されがちです。けれども、勉強ができるようになるためには、言葉は最も大切にしなければならないものの一つです。

「学びの中で出会った言葉はとりあえず大切にする」という姿勢を少しでも守って勉強に取り組むようにしてください。そうすれば勉強は自ずとできるようになれます!