【本当の話】必須なのは英語の勉強ではなく〇〇の勉強です。

教育 英語

英語の勉強って必須なのでしょうか。

英語が必須かどうかという質問に対しての回答は、状況によって変わると思います。受験なのか、就活なのか、会社でなのか、それとも人生でなのか…。

今回は受験はさておき、就活や会社内での話に絞ってみると英語はみなさんが思っているほど必須なものではないのです。

企業から求められる能力

少し古いデータになりますが、近年のものより見やすいので、2018年に経団連によって実施されたアンケートから紹介します。

「新卒採用に関するアンケート調査結果」2018年度/経団連

2018年末に実施された翌年度4月入社の採用選考においてのアンケート調査の結果です。

回答社数:597社
対象:2019年4月入社の採用選考
質問:選考にあたって特に重視した点(各社5つ選択)
  • 1位 コミュニケーション能力 (82.4%)
  • 2位 主体性 (64.3%)
  • 3位 チャレンジ精神 (48.9%)
  • 4位 協調性 (47.0%)
  • 5位 誠実性 (43.4%)
  • 17位 語学力 (6.2%)

このアンケートは1997年度から実施されており、その中で上位の順位は変わることなくコミュニケーション能力は16年連続1位、主体性は10年連続2位、チェレンジ精神は3年連続3位となっています。

このデータを見ると、ほとんどの企業が新卒の採用選考で重要視することベスト5の中に「語学力」というものを含めていないことがわかります。

これだけ国際化を謳っているにもかかわらず、びっくりするくらい「語学力」は求められていないのです。私もこのアンケート結果を見たときに目を疑いました…

もう1つ、近年2021年に実施されたアンケートも見てみましょう。

「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」2021年度/経団連

こちらは先程のアンケートから変更されたもので、大卒者に期待する点を資質・能力・知識の3つに分けてアンケートを取っています。

回答企業数:381社
対象:2022年度4月入社の採用選考
質問:選考にあたって重視した点(それぞれ3つまで選択)

特に期待する資質

  • 1位 主体性 (84.0%)
  • 2位 チームワーク・リーダーシップ・協調性 (76.9%)
  • 3位 実行力 (48.1%)
  • 4位 学び続ける力 (36.2%)
  • 5位 柔軟性 (18.4%)

特に期待する能力

  • 1位 課題設定・解決能力 (80.1%)
  • 2位 論理的思考力 (72.1%)
  • 3位 創造力 (42.6%)
  • 4位 傾聴力 (35.9%)
  • 5位 発信力 (35.1%)
  • 8位 外国語能力 (4.5%)

特に期待する知識

  • 1位 文系・理系の枠を超えた知識・教養 (84.7%)
  • 2位 専攻分野における基礎知識 (75.8%)
  • 3位 専攻分野における専門知識 (61.8%)
  • 4位 数理・データサイエンス・AI・ITに関する専門知識 (34.4%)
  • 5位 専門資格 (16.4%)

このアンケートを見ると、多くの企業が大卒に特に期待している能力は、解決能力思考力創造力などであり、「外国語能力」を期待している企業はたったの4.5%しかないことがわかります。

言われてみれば、英語の能力が、物事を解決する能力や思考力と比較されて同等に求められることがないのは、当然だと感じます。

大切なのは「日本語」

このように実際の社会で求められている能力を見てみると、教育業界が謳っている「英語の重要性」はなんだか虚しく思えます。

英語の学習自体を否定するつもりはありませんが、「英語ってそこまで必死にならないといけないほど大切じゃないけど?」って正直思います。

外国語能力よりも、企業が求めているのは解決力思考力創造力です。

そしてよくよく考えると、この解決したり思考したり創造したりするのに不可欠なものは母国語である日本語です。

POINT
企業が求める能力を養うためには日本語能力が必須

英語を学ぶこともいいですが、母国語の学習をおろそかにしてまで行うのは絶対おすすめしません。

なによりもまず、日本語を大切にしたいところです。