大学入学共通テストへの正しい対応とは【本質的には従来通りです】
大学入学共通テストへの正しい対応とは
来年2021年1月に新しく実施される大学入学共通テストは、結局「記述式」と「民間テスト」は見送られ、マークシートのみに落ち着きました。マークシートなので現行のセンター試験と形式は変わらないということです。
ただ、数学・英語・国語のおいては出題傾向が変わることになります。こちらは従来のマークシート形式のままでの変更となるので、実施されることは間違いないでしょう。
けれども、不安になるほどではありません。今まで30年間ほどセンター試験が実施されてきましたが、出題傾向の変化は当然ありました。違いは今回のように事前に変更が発表されることはなかったということぐらいです。
ちょっと時代的にこんな話になってしまいましたが、今から大学入学共通テストについてお話をしようというわけではありません。センター試験もしかりですが、内容的にはどうでもいい試験なので、心を煩わされることが何より損になります。今回はそんなお話をしたいと思います。
マーク式の試験では本質の理解は問えない
とても大切なことなので断言しておきますが、記述式の試験では本質を理解しているかどうかを問うことができますが、マーク式ではできません。
もしそれができるなら、大学入学共通テストで記述を導入しようみたいな話になるわけでないですよね。マーク式では問えないからそんな話になるわけです。国公立大学は一部を除いて大学入学共通テストに対して無関心でした。各大学が2次試験で記述試験を行っておりそちらで必要な能力を問うているので、どうでもよいのですね。これは従来のセンター試験のときと同じスタンスです。
ここで何が言いたいのかというと、本質を問えないマーク式の問題に対して真面目に対策をする必要はないということです。本質を問えないということは、本質を理解する必要はありません。つまり、傾向と対策みたいなもので対応できるということなのです。そういうものに対して何年も時間をかけて準備をするのは馬鹿らしいですよね。
大学入学共通テストの準備を早くからしてはいけない
そもそも、早い時期から大学受験のことを考えて準備をしていこうという考えをするということは、難関大学や医学部を目指していこうと思っているからだと思います。例えば、高校1年生からとか、もっと早く中学生のときからとかにしっかりと準備をしていこうというわけです。
ところが、早くから準備をしていこうと考えれば考えるほど、大学入学共通テストの対策をという考え方はお薦めできません。なぜなら、大学受験で成功するために必要な力は、マーク式の選択肢を適切に選ぶ能力ではないからです。ではなく、難関国公立でも、国公立医学部でも、私立医学部でも必要となる記述式の問題をしっかりと解ける力が絶対に必要です。
大切なことは記述試験の対応
マーク式とは異なり、本質を理解していないと解けない記述式の問題に対してはきちんと準備していく必要があります。大学受験の記述問題は本当に準備万端にしようと思うならばおよそ3年はかかります。早くから準備をしていこうと思われるなら、そちらに着手するのが正しい道です。
逆に、マーク式は時期が来たら、制限時間内に的確に正解を選ぶ練習をすればよいだけです。本質の理解がある程度できていれば、それほど難しい作業ではないでしょう。塾・予備校を利用するでも、オンライン授業でもベネッセのスタディアプリのようなものでも、センター対策の書籍でも良いです。時期が来たら、それに着手すれば問題はありません。
そもそも受験とは「競争」である
そもそも、受験というものの本質を正しく捉えられていない情報が目立ちます。塾業界などの情報もそうですが、受験が難化するとか、〇〇〇もしないとみたいなものとかが目につきます。断言しますがこれは間違っています。
受験の本質は「競争」です。この問題が解けると合格、解けないと不合格という絶対的な基準はありません。ではなく、競争しているわけですから、みんなが解ける問題は解けたいですし、解けない問題は解ける必要はないのです。
つまり、競争相手が強くならない以上、競争の激化は起きません。年々高3生の学力が上昇していっているなら競争は次第に熾烈になっていくでしょうが、そのようなことは一切ありません。毎年の競争相手の学力が変わらない以上、例年通りの準備で合格を勝ち取れるのです。
つまり、きちんと学力を養っていこう
ここまででお話した事実を知っていると、大学受験という競争で成功を勝ち取るためには、本質が分かっていないと解けない本番の記述試験に対応するための本当の力を養うことが肝要なのが分かってもらえると思います。
塾・予備校などの情報に惑わされたり、煽りを真に受けたりして、本来するべきことを蔑ろにしないようにしてください。大学受験は本番の記述試験の内容が変更されないかぎり、成功するための道が変わったりはしません!
「傾向と対策」は最終手段
さらに付け加えておくと、傾向と対策のような表面上を取り繕うようなことは最終手段です。事前から準備をしようと思ってやるべきことではありません。
このように言う理由は2つあります。
①大学受験はゴールではない
一つは、大学受験は夢ではなく、夢に向かっていくための通過点です。大学受験がゴールなら、どんな方法でも合格してしまえばハッピーになれます。けれども、ゴールでないなら、その後のことも考えてのベストな選択をするべきです。そう考えると、傾向と対策でごまかすより、少しでも本当の力である学力を上げておくべきです。それが人生の豊かさにつながっていくからです。
②傾向と対策は裏を返したら弱さである
もう一つは、傾向と対策は、その傾向には強くなりますが、少しでも傾向が変わると対応できません。つまり、傾向と対策で強化するという手法は、裏を返したらそれ以外に対しては全く対応できないという状態にするということです。時間がなくて仕方がないのならよいですが、事前から準備をしようというときに選択する手法では決してありません。
いずれにしても、大学入学共通テストというようなマーク式なだけの試験にあまり惑わされないようにしてもらえれば、成功できる確かな道を歩むことができるでしょう!