【子育て】早期教育は重要なの?
早期教育の大切さをよく耳にします。「小さいうちから学習しておかないと手遅れになりますよ」ということですが、これは本当なのでしょうか。
実はこの質問への回答は難しいのですが、おそらく誤りです。
(私は誤りだと考えています)
早期教育という考えはどこから
そもそも、早期教育という考えはどこから出てきたのでしょうか。
この考えの元になっているのは「臨界期仮説」という考えです。
人は、臨界期(2歳~12歳頃)を超えてしまうと、言語を母国語として習得することが困難になる
アメリカの言語学者・精神科学者エリック・レネバーグが1967年に提唱した仮説ですが、これが元になって、12歳までの学習を重視する風潮が生まれました。
もちろん、この話を世に広めたのは教育サービス業です。「12歳までに勉強しないと、やばいことになりますよ!」という脅しで、商品販売や顧客獲得を行ったわけです。
臨界期仮説は本当なの?
問題なのは、この臨界期仮説は正しいのかということです。
これが真実かどうかを議論するためには、1967年にエリック・レネバーグが臨界期仮説を唱えた『言語の生物学的基礎』を読み解き、さらに追認する多くの研究結果を追っていく必要があります。
ただ、そういうものは一旦置いておいたとして、ぶっちゃけ臨界期仮説は正しいのかどうか。
ここまでの話でなんとなく予想しているかもしれませんが、これって字のごとく『仮説』なんです。この仮説が発表されたのち、これが『理論』や『法則』に昇格(?)してはいないんですね。
可能性を示唆しただけ
実際、エリック・レネバーグは臨界期が存在する可能性が高いと考えて『仮説』として発表したのですが、「どう調べても、この仮説は正しいよね」というほどの研究結果は出てきません。逆に、この仮説に対して懐疑的な研究者も数多くいるわけです。
いくつか臨界期仮説を追認する研究・調査結果を見ても、内容は次のようなものになります。
第二言語(日本人にとっての英語のようなもの)を幼少期から学習した者と、25歳くらいになってから学習した者を比較すると、幼少期からの方が母国語レベルで扱えるようになっている
これだけ聞くと、人によっては「やっぱり幼少期からやらなくっちゃ」と安易に思うかもしれませんが、これって、同じ30歳くらいの人を調べたとかって話なんです。
「幼少期から30歳まで」と「25歳から30歳まで」を比較して、幼少期から学習した方が優れているとかって言っちゃってるんですね。しかも調査母数は50人弱とかです。
とても真面目に取り組まれた研究だとは言えません。大手の教育サービス企業から何かもらって、都合の良い結果を報告しただけではと思ってしまうのは私だけでしょうか。
世の成功している人たち
臨界期仮説とか、耳にする早期教育の重要性とかを一旦頭から消し去って、頭の中を真っ白にして純粋に考えてみてください。
早期教育を受けなかった人は、大学受験をするときや社会に出るときに困っているのでしょうか。早期に教育を施されなかったためにどれだけ努力しても目標を達成できず、「幼少期の頃からやっておくべきだった!」と後悔している人がいるでしょうか。
いませんよね。
もしくは、世で成功している人たちの中に「幼少期の頃に訓練したおかげで今があるんだ」と結論付けて、早期教育の重要性を謳っていたりするのを聞いたことがありますか。
ありませんよね。
早期教育って本当に重要なのでしょうか。早期教育しないと、何かやばいことって本当に起きるのでしょうか。
甚だ疑問です。
まとめ
早期教育って、なんか聞こえが良いのか、不安が煽られるのか、理由はよくわかりませんが多くの方が無視することができずに、惑わされている言葉のように思えます。
少し言い方が悪いかもしれませんが、率直に言うと、子育てを懸命にしている親を狙った悪質な詐欺だと言ってもいいのではないかと、私は思っています。