学歴社会は時代遅れなの?

受験 教育

昔は「日本は学歴社会だ」とよく言われましたが、今はどうなのでしょうか。

結論的には「日本は今も学歴社会だ」と言えます。

日本は学歴社会

そもそも学歴社会とは何なのかということですが、学歴社会とは学歴(学校履歴)が職業や所得などと強い関係をもっている社会のことです。

学歴社会
学歴が職業、所得、社会的地位を決定する度合いの強い社会

こんな風に言われると、「どこの国でも学歴社会では?」と思います。

学歴が職業や所得に影響を及ぼさない社会なんて想像できません。おそらく、世界中が学歴社会であると言っていいと思います。

世界中のどこの国も「学歴社会」である

もちろん、日本も例にもれず学歴社会です。学歴が高いほど平均所得が高くなっているので、まさに学歴社会であると言えるでしょう。

学歴とキャリアの関係について質問したところ、80.3%の人が「関係する」と回答した
*2024年に実施した20~50代の社会人男女に対するアンケート
詳細は「2024年 学歴とキャリアの実態調査」

「学歴」に関するイメージ

社会の中では「学歴」をどのように捉えているのでしょうか。

学歴社会の善し悪し

「2024年 学歴とキャリアの実態調査」を見てみると、「学歴社会の必要性」に対して「学歴社会は必要だと思う」という回答が66.0%を占めています。

また、同じような質問で「学歴社会への賛否」について回答を求めたところ、66.9%の人が賛成と答えています。

アンケート回答
学歴社会の必要性について
必要だと思う 66.0%
学歴社会への賛否について
賛成 66.9%

ジョブサイト調べなので少し偏りはあるかもしれませんが、このアンケートは20~50代の職を持つ社会人を対象にしており、およそ3人に1人が「学歴は必要」「学歴に賛成」と考えていることがわかります。

また、学歴社会に賛成する理由としては「能力の判断材料になるから」「自分が学歴のために頑張ったから」「若手の活躍機会になるから」「企業の採用工数が削減されるから」というのが主な理由になっています。

学歴社会に賛成の理由
・能力の判断材料になるから 47.3%
・自分が学歴のために頑張ったから 39.0%
・若手の活躍機会になるから 22.1%
・企業の採用工数が削減されるから 20.7%
 *賛成した人のうちの割合を表示

ふと思うこと

この中で気になる理由が「自分が学歴のために頑張ったから」というものです。これは「学歴社会に賛成」66.9%のうち39.0%の方が理由として挙げており、全体としては26%ほどの方がそう思っているということになります。

この数値は考えてみると当たり前だと感じます。人よりも高い学歴を得ている人たちは人よりもそれに対して努力をしているため、その努力を評価されたいと思うのは当然のことです。そう考えると26%くらいの人たちがそう思っているというのは至極妥当だと言えるでしょう。

そしてある意味、そういう人たちが未来の社会を担っていくと考えれば、善し悪しは別として学歴社会が変わることはないのかもしれません。

学歴社会は続く
学歴を得るために努力した人がキャリアを得る学歴社会では、その人たちがその仕組みに賛同するがゆえに変わることはない(かもしれない…)

学歴社会との向き合い方

日本では学歴が高くなるほど平均所得は高くなりますが、この事実は「学歴が所得を保証する」と言っているわけではありません。あくまで平均するとそういう結果になっているというだけです。

実際には平均値なので振れ幅はあります。難関大学を卒業した人の中にも所得の低い人もいれば、高卒の人たちの中にも高額収入の方がいます。

日本の学歴社会は、学歴で先の人生が決まってしまう社会では決してありません。そして、学歴が人生を保証してくれるわけでもないので、あまり学歴にこだわるのは良くないでしょう。

POINT①
学歴で人生は決まりません

重視すべきは職歴

そもそも、学歴が有効に使えるのは初めて就職するとき、つまり就活においてだけです。そのあとは学歴ではなく職歴が重視されます。

考えれば当たり前の話ですが、仕事ができる人材なのかどうかを見極めるのに適しているのは、どのような仕事に携わってきたのかを示す職歴なのです。就活において学歴が見られるのは、単に見るべき職歴がないためなのです。

POINT②
社会人になって重要なのは学歴ではなく職歴である

就職して仕事を始めたら、その後は職歴になります。昔取った杵柄である学歴に頼るのではなく、仕事を頑張って職歴を高めていくことを大切にしていきたいところです。

まとめ

考えてみてください。

もし30歳の人がいたとしたら、学歴を得たのは12年前の18歳のときです。12年前の努力を評価してくれる会社は世の中にどれほどあるでしょうか。

12年前の努力よりも、大学卒業後の6~8年間にしたことの方が重視されるでしょう。

私は、「高校3年間の努力」と「社会人3年間の努力」のどちらか一つしか選べないと言われたら、少し悩みますが後者を選びます。「社会人5年間の努力」なら悩むことなくこちらを選びます。

学歴でうまくいかなくても職歴で頑張れば良いのです。勉強が苦手でも仕事を頑張ることができるなら何の問題もないと思うのは私だけなのでしょうか…。