上手に教えられるようになりたい【プロの方法を伝授します】

成功 教育

上手に教えられるようになりたい
【プロの方法を伝授します】

僕が運営している塾は、広告は一切していません。広告活動のようなものをほとんどしていないわけですが、お陰様で生徒集めには全く困っていません。もちろん、それには色々なノウハウがあり、上手くやっているのですが、成功している一つの要素は「教えるのが上手い」だと思っています。

今回は、出し惜しみなく、上手く教える方法とそのコツのお話をしたいと思います。

教えるのが上手い人と下手な人の違い

上手く教えるのには色々な技があるのですが、教えるのが上手い人と下手な人の大きな違いは、ずばり立ち位置です。

下手な人は、自分の立ち位置から全く動かず、その場で説明を試みます。上手な人は、生徒の立ち位置まで下りて行って、そこから何が見えるのかを確認しながら、同じ目線で話をしていきます。

例えば、次のことを想像してみてください。

生徒A君と一緒に夜空を見ています。ふと、A君が「先生、北斗七星ってどこにあるの?」と聞いてきました。あなたなら、どのように教えるでしょうか。
(前提として、あなたは北斗七星の位置は知っているとしましょう)

夜空の下、どの星がどこにあるのかを実際に説明するのは意外と難しいものです。ポインターで指すことはできませんからね。では、どのように教えるか考えていってみましょう。

あなたは即座に夜空の中で北斗七星を見つけて、指さします。「ほら、あそこに見えるのがそうだよ」と。ところが、生徒は「え、どれ?」といった様子です。

ここで、教えるのが下手な先生は1歩も動かず「ほら、あそこ。あそこだよ。わかる?」とひたすら指さして「あそこ」と連呼します。実際にやってみたらわかることですが、生徒の立場からとすると、この説明では本当にどの星のことかはわかりません。また、教える側からしても、他に言いようがないという感じです。

ところが、教えるのが上手い人は、「あそこ」では分からないなと思って、まず生徒の立っているところに行きます。そして、自分の目線を生徒の目線に合わせて、生徒からどのように見えているのかを知ろうとします。

生徒の目線から見える世界を把握できると、説明するのはぐっと簡単になります。指さしながら

「あっちの建物Cと建物Dの間の背の高い木、わかる?その木のまっすぐ上あたりだよ。木の先から、Eのお店のあの赤い看板4個分ぐらい上にあるのが、ちょうど北斗七星のひしゃくの先の星だよ」と。

具体的に分かりやすく説明しようとすると、生徒の見えているものが分からないとできません。生徒の立ち位置&目線で回りを見渡す必要があるわけです。

これは勉強を教える場合でも全く同じです。

  • 生徒の立っているところにどれだけ立てるか

です。これで上手く教えることができるかどうかが決まります。教えるのが上手い人は、無意識でそのようなことをしています。

生徒の立ち位置に立つことの2つのメリット

この方法をもう少し詳しく見ておくと、2つのメリットがあることに気づきます。

  • ①生徒の悩みが明確にわかる
  • ②思っていることが伝えやすい

①生徒の悩みが明確にわかる

生徒が立たされているところに近くなるほど、生徒の現状が分かります。実際に同じ場所に立つと、「思ったより低くて景色が見えにくいな」とか「ちょっとぬかるんでいるんだな」といった感じの情報を得ることができます。

生徒の状況がわかると、そこから何に悩んでいるのかを推測することは容易になります。論点がズレることなく説明できるので、生徒にとってとても分かりやすい話になるわけです。

②思っていることが伝えやすい

生徒の立っている場所に立つということは、生徒と同じ世界に降り立つということです。「〇〇のことはわかる?」「〇〇は習ってる?」といった質問などをしながら、生徒の立っている世界を知って、できるだけ同じ場所に立とうとするわけです。上手く教えようとすると、生徒がどんな知識を持っているのかを知る必要があるんですね。

生徒の持つ知識を知ることで、生徒が悩んでいることを、

生徒のなじみのある言葉で説明できる
⇒こちらが思っていることを上手く伝えられる

わけです。これは、生徒にとって圧倒的に分かりやすい説明になります。「なるほど!」と思ってもらえるわけですね。

注意:生徒の立つ場所に立とうとしないと

ちなみに、生徒の立つ場所に立とうとしないと大変なことになります。

  • 生徒の悩みは分からない
     ⇒「先生、そんなこと聞いてないよ」
  • 生徒の持つ知識が分からない
     ⇒「先生、何の話をしているの」

となっちゃうわけですね。これではダメダメ先生ってわけです。

生徒の立っている世界に立つためのコツは

僕がよく頭の中でよくしているのは、過去の自分との対話です。「自分は小学生(中学生)のとき、どう考えてたっけ?」というものです。ある一つの事例というわけですが、直接経験した大切な情報ですし、共感が得られる説明をすることが容易になります。

もう一つ、大切なことはやはりコミュニケーションです。生徒とコミュニケーションを取っていくことで、生徒の見ている世界(生きている世界)がよりイメージできるようになっていきます。その中でサッカーをしていることが分かったら、サッカーを例にした説明ができ、趣味が分かれば、それを使った分かりやすい説明をすることができます。

生徒の世界に立つコツは

  • 過去の自分を思い出してみる
  • コミュニケーションを大切にする

生徒の悩みを少しでも解決できたら。生徒が幸せに、それを見て先生も幸せに。