【宿題の勘違い】皆さん、宿題が好きすぎです!宿題にそこまでの価値はありません。

勉強法 教育

【宿題の勘違い】皆さん、宿題が好きすぎです!宿題にそこまでの価値はありません。

塾を運営しているとたまにお願いをされます。

「先生、宿題をもっとたくさん出してください!」と。

巷ではどうやら宿題をたくさんやると頭が良くなるというイメージがあるようです。でも残念ながら、単に机に向かって宿題をしているだけで頭はよくなりません

勉強というのは問題を解いていればそれでいいというわけではないのです。解ける問題をひたすら解いていっても、解けない問題とにらめっこをしても、何も得るものはありません。このことは勉強ができるようになるためには大切な話なので、ここできちんと説明をしておきたいと思います。

ちなみに、僕の塾は「日本で一番宿題が少ない塾」だと自負しています!けれども、学力は確実に上がっています。

実績の詳細は「プロフィール詳細」を参照していただければ幸いです。

目次

解ける問題を宿題に出しても価値はありません

僕の塾は個別指導塾で先生1人が一度に生徒2人を見る形式で行っています。その2人の生徒は学年も教科も違うのですが、たまにこんなことがあります。低学年と高学年の子を見ていると、高学年の子が「先生、僕も隣りの子みたいな簡単なのがいいな!」と言うわけです。

気持ちはすごく分かります。僕は4人兄弟の長男で弟らを見て同じようなことを思った記憶があります。なので気持ちはわかるけどと言いながら、その子に「じゃあ、小学1年生のドリル持ってくるし、この5年生の問題集はもうやめて毎週その授業をする?」って聞いてみたりします。意外とほとんどの子はちょっと悩んで「いや、それはやめとく」と返してきます。「なんで?」と聞くと、「やっても仕方がないし、5年の勉強できるようにならないと困るし」と言ったりします。

素晴らしい答えです。「そうやね。解ける問題を解いても仕方がないよね」と言いながら、勉強に戻っていくわけです。この子が言う通り、解ける問題をひたすら解きまくることになんて何の意味もありません

解ける問題をプリントで渡して毎日1時間解いてもらっても仕方がありません。そんなことをさせるぐらいなら遊んでいる方が、部屋でごろごろと転がっている方がマシです!

解けない問題を宿題に出しても価値はありません

簡潔に「解けない問題を解くことには意味がない」と言ってしまうと誤解が生じそうです。これはわりと大切な内容を含んだお話になるので、きちんと説明しようと思います。

子どもの学力を上げるためには「解けそうな問題」を選んで取り組んでもらうことが必要になります。そもそも学力はどんなときに上がっているのかということですが、答えはずばり、

学力が上がるのは考えている瞬間だけ、脳を活動させている瞬間だけ

です。解ける問題は考えなくても解けてしまうのでダメなのです。全く解けない問題も数秒で諦められてしまうのでダメです。

このような理由から、考えたら解けそうという難易度の問題が最適なわけです。ただ、これは「パッとは解けない問題」なので「解けない問題」に含まれていると思われがちです。ですから「解けそうな問題」と「解けない問題」はきちんと区別して、「解けそうな問題」を解いてもらうことが大切になります。「解けない問題」はとりあえず放っておいて構いません。

(補足)
本来、「解けない問題」でも学力は上がります。解けないなりにも考えて解こうとするなら考えた時間分は力が付くからです。けれども、多くの場合はそれをしてもらえないので、扱いが難しくおススメできないといった感じです。勉強に困っていない場合(つまり学力が高い場合)は「解けない問題」でも大丈夫です。解こうとしてくれるからです。

学力が上がる瞬間はどんなとき

宿題をたくさん出して欲しいという要望の背景には、問題を解くほど学力が上がるというイメージがあります。そして、そのイメージは「問題が解けた瞬間、学力が上がっている」という誤解にも関係している気がします。でも、これはちょっと考えるとオカシイと分かります。

問題が解けた瞬間、学力が上がる

問題を解いていて、解けた瞬間にピコーンと頭が良くなっていたらなんだか変ですよね。そんなわけがありません。頭が良くなっているのは問題を解いている時です。頭を使ってあれやこれやと考えている時がすなわち頭が活性化している時で、このとき頭が鍛錬されてより高度化していっています。

【まとめ】宿題・家庭学習で大切にするべきこと

以上の話から、頭を良くするためには頭を使わせないといけないのですが、これは当然と言えば当然でしょう。そしてこのことを踏まえると、子どもの学力を上がるためにするべきことは、子どもが活動している時にいかに頭を使わせるかということになります。

これは宿題や家庭学習にしても同じ話で、頭を使わなくても解けてしまう問題や、頭を使うことをやめてしまうぐらい難しい問題はやらせても仕方がありません。また、頭を使わずに机に向かわせても時間の無駄になってしまいます。そんなことをするぐらいなら、遊ばせた方がよいです。なぜなら、子どもは遊んでいるとき、頭を良く使っているからです!

少し難しいかもしれませんが、ちょっと考えないと解けない問題である「解けそうな問題」を解くことが学習のポイントです。具体的には、基本問題が分かるなら練習問題、練習問題が分かるなら応用問題という感じで、ワンステップ上の問題という感じです。もしくは半ステップぐらいです。ステップが大きすぎると上手くいかないので、そういう問題はパスしましょう。

もし問題集選びで迷うならば、7割ぐらいはすでに解けてしまう問題集がおススメです。家庭学習、つまり自主学習はスモールステップで行うのが成功の秘訣ですから。