70%の大学受験生が陥る罠【知っておかないとマズイです】
こんにちは、ノリユキです。
大学受験の指導を20年以上してきた中で、70%ぐらいの生徒が陥っていると思われる罠についてのお話です。
この罠は、かかってしまうとかなり致命的で、なかなか成績を上げることができず、苦しむことになります。僕はこれを大学受験の「3か月の罠」と呼んでいます。
大学受験の「3か月の罠」
けれども、その後はほとんど成績が上がらない。
受験生からすると、かなりヤバすぎる罠ですね。でも、かなり多くの受験生がこれで苦しんでいます。
今から受験勉強を始めるなら、この罠に陥る原因は分かっているので、それを知っておいて未然に防いでください。
受験勉強を始めていて、すでにちょっと怪しいかもという人も対処法があるので、是非、参考にしてもらえれば!
まずはこの罠がよく起こるという事実をお伝えした上で、原因、対処法について説明していきます。
この記事の内容
70%の生徒が成績を上げられないという事実
ちょっと大学受験の浪人生に焦点を当ててみます。
浪人生も苦戦をしている
これは大学受験に携わる人たちの間では、一般的な見解なのですが、
なのです。思っているより大分と低い割合ではないかと思います。
実際には「第一志望に受かる」ということを判定するのか難しく、数値化したものは調べても出てきません。
けれども僕の感覚でもそれぐらいで、毎日サボらず勉強している浪人生のみを対象にしても、成績が上がっているのは多く見積もっても30%弱かなという感じです。
これは考えると恐ろしいことです。
でも、残念ながら、本当の話なのです。
現役生でも実は変わりません
そして、これは浪人生に特有の現象では決してありません。1年という時間をかけても成績が上げられないわけです。時間が厳しい現役生ならなおさら、成績を上げるのは容易ではないはずです。
もちろん、浪人生は受験に失敗しているわけです。ある意味、勉強法が悪いからとも言えるわけで、その中での割合だと考えると合点がいくパーセントかもしれません。
でも、実際には、現役生・浪人生に大差はないと思っています。あくまで僕の感覚ですが、それほどの違いは感じないので、現役生であっても油断はできません。
なぜ成績を上げられないのか
では、なぜこのような罠に陥るのでしょうか。
結論から言うと、原因は「受験勉強の本質」を理解していないからです。
受験勉強の本質とは
受験勉強の本質とは、「本番の試験で問題が解けるようにすること」です。
受験の目的は志望校に合格することですが、その目的を達成するためには試験本番で合格点を取らなければいけません。
そのために、1年以上も前から準備を始めているはずで、それが受験勉強です。なのに、いざやり始めるとそのことを忘れて、なんとなく机に向かっているだけになってしまっているのです。
そうすると、次のようなことになってしまいます。
具体的には
1月から受験勉強をし始めたとしましょう。1月、2月、3月と勉強をして3月末に模試を受けます。結果は当然良く、きちんと成績は上がっています。
そして、機嫌よく4月も勉強をするのですが、そのときに問題が発生します。なんと1月にやったことが頭から消えてしまうのです。
なので4月末に模試を受けると、2月~4月にやったところしか問題は解けない。5月末に模試を受けると、3月~5月にやったところしか解けない。
これが「3か月の罠」なのです。これは本当に困ることになります。
何も考えずに、なんとなく机に向かって勉強をしてしまうと、高3生の力だと頭に残るのは3か月分ぐらいのようです。
つまり、3か月の罠に陥る原因は
- 先の試験本番のことを考えていない
- 何も考えずに勉強すると3か月しかもたない
この罠から抜け出す方法(対処法)
この「3か月の罠」の解決策は3つあります。ただ、どれか1つで解決するというより、ミックスして盤石にした方が断然よいです。
- ① 受験本番のことをイメージして
- ② 定期的に復習をいれて長期記憶に
- ③ アウトプットをする
では、順番に見ていきます。
① 受験本番のことをイメージして
これはシンプルなことですが、「受験本番のことをイメージしながら勉強をする」ことです。
何も気にせずになんとなく机に向かうのではなく、何か月後かの試験本番のことを気にして勉強に取り組むわけです。
具体的には、
- (今解いている問題が試験本番に出たら…)
- (1年後の試験のときまで覚えておく!)
- (これは超重要!忘れたら試験ではアウトだぞ!)
という具合です。このように本番のことを思って勉強することは極めて重要なことです。
成績が良い受験生ほど、このような考えを持って勉強に取り組んでいます。なので、目標が高くなるほど、このイメージを持っていなければ受験という勝負に勝つことはできません。
② 定期的に復習をいれて長期記憶に
折角時間をかけて勉強しても、時間が経つと忘れてしまいます。人間である以上は仕方がありません。
ただ、すべてが完全に頭から消え去ってしまうと、また同じ状態に戻すのに同じだけの時間がかかってしまいます。それは避けたいところです。
勉強の基本は復習だ
その方法が、単純ですが「復習をすること」になります。定期的に復習をして忘れないようにするわけです。復習にかかる労力や時間は、実はそれほど多くはありません。
忘れてしまうと、膨大な時間がかかります。さらに、忘れてしまったという事実で、精神的なダメージも受けることになります。
それを回避するために、勉強時間に「復習する時間」を取り入れていきます。
勉強時間の3分の1は復習を!
復習のタイミングは、1日後、3日後、1週間後、1カ月後、3カ月後といった感じです。けれども、ロボットではないので、このリズムぴったりで行うことは不可能です。
大切なことは、勉強で「復習」を重要視することです。僕の感覚的なものになりますが、勉強時間の3分の1は復習にあてても悪くはありません。というか、それぐらいあてるのがオススメです。
⇒3時間なら、最初の1時間は復習する
⇒9時間なら、最初の3時間は復習する
気持ち的には、問題集をどんどん解き進めたいのは分かります。でも、絶対に復習から始めてください。結局は、これが受験合格への近道ですから。
③ アウトプットをする
これは「勉強法」というものに近くなりますが、記憶にも向いており、理解自体も深まる方法なので、是非やってほしいです。
やり方自体はシンプルで、「理解したこと、覚えたことをアウトプットする」という手法です。
アウトプットとは、自分の頭の中にある知識や考えを表現するということです。勉強におけるアウトプットには次の方法があります。
- まとめノートを作る
- 人に説明をする
- 授業をする
アウトプットのよいところは、
ことです。
勉強は、多くの人が無意識で「なんとなく分かった、覚えた」で終わらせてしまっています。この「整理してまとめる」という作業は、そのままで終わらせることを許してくれません。整理してまとめるためには、もっときちんと理解する必要があるからです。
もちろん、言うまでもなく、整理してまとめるのには時間がかかります。ただ、それをして「人に説明ができる」「人に教えられる」次元にまで持っていければ、1年ぐらいで忘れてしまうことはなく、受験でも困りません。
逆説的ですが、この方法は受験における成功への最短コースになります。
まとめ
以上、大学受験における「3か月の罠」についてのお話でした。この罠にかかると本当に苦労するので、なんとか避けたいところです。
参考になれば幸いです。