【成績が上がりません】それは「問題集の使い方」が間違っているかもしれません

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【問題集を解いても成績が上がらない】それは「問題集の使い方」が間違っているからです

皆さんは成績を上げたいと思ったとき、どういう行動を取るでしょう。多くの人は、
成績を上げたい = 問題集を解こう
という風に考えます。これは疑う余地もなく正しいです。正しいのですが、わりと
でも、頑張って問題集を解いても成績が上がらないんです…
という人が多いのも事実です。これはなぜなのでしょう。

もちろん、問題集が自分に合っていなかったということも考えられます。けれども、多くの場合「問題集の使い方」を誤っています。そして、この誤りは一つの大きな勘違いから生じています。それは

問題を解いている時、成績が上がっている

という思い込みです。まずは、このことについてお話をしたいと思います。

(補足)
ここで話す内容は、高校受験までなら知っていたらお得な話です。けれども、大学受験になると知っていないと困る話になっています。

目次

「問題を解く」とはどういうこと?

「問題集の使い方」の話をする上で、どうしても避けては通れないことがあります。それは、問題集の「問題を解く」という行為はそもそも何をしているのでしょうという話です。「え、勉強ができるようになるためにやっていることでしょ!?」という声が聞こえてきそうですが、本当は違います。

「問題を解く」という行為は、問題を「解ける問題」と「解けない問題」に分別しているだけなのです。

言われれば「そうかも」という話なのですが、これが意外ときちんと認識されていません。問題を解いている時にしていることは「はい、これは解けました」「はい、これは解けませんでした」と問題を1つずつ分別していっているだけなのです。

当然、これで成績が上がるわけもありません。問題集をひたすら解いても成績が上がらない理由は、実はここにあります。

けれども、この行為自体が間違っているわけではありません。もちろん、この分別はしなければいけないことです。大切なことは、この分別の後にあるんです!

問題を分別した後はどうするの?

問題を分別した後にしなければならないこと、それは次のことです。

解けない問題を解けるようにする

問題を解くことで「解ける問題」と「解けない問題」に分別できたとしましょう。その2種類をもう少し詳しくみてみると

  • 解ける問題  = すでに理解している
  • 解けない問題 = まだ理解できていない

となっています。そうすると、成績を上げるためには「解けない問題」を理解して「解ける問題」に変えていくことが必要だと分かります。

理解する方法はさまざまで、例題をもう一度読む、解答・解説を読む、先生・親・兄弟に質問するなど。どんな方法でもいいので、なんとか解けるようにします。解けるようになった瞬間、成績が上がるわけですから!
*「理解する」方法はまた近いうちにまとめたいと思っています。

覚えていないことを覚える

ただ、すべての問題集をこのように扱うわけではありません。よく考えてみると、暗記教科の問題集は先ほどとは異なり、

  • 解ける問題  = すでに覚えている
  • 解けない問題 = まだ覚えていない

となります。ですから、「まだ覚えていないこと」を暗記しないといけないということなのですが、是非知っておいて欲しいことが一つあります。

暗記教科の問題集には、よく各章のはじめに「暗記事項のまとめページ」があります。これを覚えないといけないのですが、とても覚えられる量になっていません。

実はこの「暗記事項のまとめページ」の中でも、特に覚えておかなければいけない事があります。それが「解けなかった問題」で問われた事です。理由は、問題集の問題は頻出問題を扱っているからです!

問題集の問題で問われたことは頻出なので、特に覚えておかないといけません!

ということで、絶対に暗記するようにしてください。ちなみに、まとめページに「これ頻出!」という印を付けておくことも超オススメします!

結局、問題はなぜ解いているのか

ここまでの話で、「成績が上がる瞬間は、問題を解いているときではない」ということが分かってもらえたと思います。成績を上げるコツは「解けなかった問題をどう解けるようにするか」なのです。

『解けない問題』に出会ったとき、成績を上げられるチャンスだ」と考えることができれば、成績は絶対に上がります。

さらに、解けない問題に出会ったとき、テンションが上がり「解けない問題を探すために問題集を解いている」と思えたなら、あなたはもう勉強のプロと言えるでしょう。成績を上げるという点で困ることはないはずです。

「正しい問題集の使い方」大切な4つのポイント

ここまでで、「問題集を使って成績を上げる」ことの理屈は分かってもらえたと思います。ですが、具体的な手法についてはまだ何もお話をしていません。これでは、困るという方も多いと思うので、実際にどうやったらいいのかもまとめておきます。

「正しい問題集の使い方」を整理すると、大切なことは次の4つになります。

「正しい問題集の使い方」

  1. 解けなかった問題に日付を入れる
  2. 必ずノートに解く
  3. 解く、丸付け、やり直し」でワンセット
  4. 次の日は「やり直し」から

どれも重要なことですので、一つずつ説明していきます。

解けなかった問題に印、日付を入れる

問題を解いていく中で「解けた問題」には興味がありません。すでに解けている問題なので、練習する必要もなく、二度と解かなくて大丈夫です。

ところが、「解けなかった問題」はすごく大切なので印をつけていきます。そして、今後この印の付けた問題を何度も解いていきます。なぜなら、この印が付いた問題を解けるようにすることができれば、確実に成績が上がるからです

また、印と同時に日付も入れておくことをオススメします。何度も解いていく中でも間違えるたびに印と日付を入れていきます。こうすることで次の2つのことが後でわかります。

  • 間違った回数
  • 最後に解いた日付

定期試験でも本番の入学試験でも、試験が近くなるほどこの情報に価値が出てきます。間違った回数が多いほど、最後に解いたのが昔ほど重要なのです。試験間近であまり時間がない時にはこの問題を優先して復習すればとても効率が良くなります。

問題を解くたびに、解けなかった問題に印と日付を付ける。これは絶対に忘れないようにしましょう!

必ずノートに解く

意外と知らない生徒が多いのですが、問題集に直接答えを書き込むのはタブーです。これは別に問題集を綺麗に使いましょうという話ではありません。ではなく、書き込んでしまうと、何度も解くことができなくなってしまうからです。

公立の中学校では特に「ワーク(問題集)に直接解かせて提出」という形が取られます。ですのでその癖というか、その延長上で問題集に答えを書き込んでしまいます。学校のワークは、目的が「提出」なのでそんな風に扱われています。けれども、「正しい問題集の使い方」を考えた場合、明らかに誤りなのです!

問題集を解くときは

問題集に直接解く
ノートに解く

ということです。くれぐれも間違わないようにしてください。

「解く、丸付け、やり直し」でワンセット

生徒たちが勉強しているのを見ていると、「ひたすら問題を解き続けている」ことがとても多いです。丸付けを全くしないで、どんどん問題を解いていっているんですね。これはあまりオススメできません。

基本は大問ごとに「解く、丸付け、やり直し」です。問題集は多くの場合、スモールステップで作られています。特に書店で売られている自主学習用の問題集はそのようになっています。(塾用の問題集はその限りではありません。)

スモールステップということは「『さっきの問題』が分かれば、『次の問題』も分かる」という感じなのです。なのに、「さっきの問題」の「丸付け、やり直し」をしないとなると、当然「次の問題」も間違えます。もちろん、その次も、その次も…。

これではノートもバツだらけで、「なんか一生懸命に解いたのにな~」って感じになってしまいます。ですし、「正しい問題集の使い方」の話を思い出してみてください。そうすると「解けなかった問題」を解けるようにすることが大切だったわけですから、さっさと「丸付け、やり直し」をして、間違った問題を解けるようにした方がよっぽどいいはずです。

こういう理由から、問題は解いたら即座に「丸付け、やり直し」をしてください。「解く、丸付け、やり直し」をワンセットだと思って、大問ごとに行っていくのが絶対おススメです!

次の日は「やり直し」から

問題集を解いていくときって、たいてい「1日〇ページ」とか「〇日までに〇ページまで」とかって計画を立てて行っていると思います。ですから、問題集を開けたらどんどん解き進めたい気持ちはすごく分かります!

でも、待ってください。いままでの話から「問題集は解くことが大事なのではない」ということが分かっています。そう思って「解こう!」という気持ちを頭の中から消してください。

消して、成績を上げるためにどうするべきだったかと考えてください。そうすると「解けなかった問題を解く」ことが重要だったはずです。

なので、次の日、まず始めにやるべきことは「『解けなかった問題』のやり直し」です。この時が「成績の上がる瞬間」なので、これをせずに先に進むことなんて絶対にできません!

目安としては

  • 1日1時間の勉強時間ならはじめの20分は「解けなかった問題のやり直し」
  • 1日3時間の勉強時間ならはじめの1時間は「解けなかった問題のやり直し」

「解けなかった問題のやり直し」は勉強時間の3分の1を使ってもいいぐらい大事なことなのです。そういう気持ちで取り組んでもらえたら、成績は絶対に上がります!

まとめ

最後に今までの話を整理しておきます。

  • 成績が上がるのは「解けなかった問題」を「解ける問題」にした瞬間
    ① 理解しないと解けない問題は理解をする
    ② 覚えないと解けない問題は暗記をする
  • 「正しい問題集の使い方」のポイントは4つ
    印、日付を入れる
    ノートに解く
    解く、丸付け、やり直しでワンセット
    ④ 勉強は「やり直し」から