算数/この小学5年生のわり算、皆さんは解けますか?(おそらく正答率は1割弱です)
さて、突然ですが次のわり算を解いてみてください。
28.4 ÷ 0.3
ひっ算をしても構いません。
いかがでしょうか。
解けましたでしょうか。
では、答え合わせです。
答えは、
94.6あまり0.2
とした人は誤りです。正しい答えは
94.6あまり0.02
です。
94.6 × 0.3 + 0.02 = 28.4
となります。
どうして間違ってしまったの?

正解だった人はすばらしいです。
類稀ない暗記力の持ち主かもしれません。
多くの方は間違えると思いますが、それには理由があります。
理由は小学5年生で学んだ後、「あまりのある小数のわり算」を使用していないからです。
中学生になって算数が数学に変わると小数自体をあまり用いなくなります。代わりに小数計算を利用するのは理科になるのですが、理科は四捨五入するので余りを求めることはありません。
結果、余りの出し方を忘れてしまうというわけです。
どれだけ勉強しても使わなければそのうち忘れます
忘れても困っていません

実際に体感してもらいたくて問題を解いてもらいましたが、ここでお伝えしたいことは「学んだことを忘れても、人生では困っていません」ということです。
これは小数のわり算に限ったことではありません。実際には、教科書や問題集に載っているほとんどの問題は解けなくても困るものではありません。
事実、小学生の内容ならまだしも、中学生や高校生のものになると反復して利用した量がそこまで多くないために、時間が経つにつれて忘れてしまって解けなくなっています。
でも、わたしたちはそのことにさえ気付いていません。なぜなら、大人になってそれを用いるという状況がないからです。「中学生のときに覚えたけど忘れてしまった…」と思う瞬間がないので、忘れていることを認識することさえないのです。
気付いていませんが、勉強したほとんどのことは忘れています
学びとはそういうもの

そもそも、学びとはそういうものなのです。人生において、問題集で練習した問題を解くという状況はなく、解ける必要がありません。
ということは大胆なことを言いますが、勉強は「問題集の問題が解けること」「問題の答えが求められること」ということを大切にしても得られるものは何もないのです。
テストとか試験があるので、つい答えを出すことに意識がいってしまいますが、正しい勉強ということを考えると「答えを求める」ということに終始するのは間違いになります。
勉強(学び)で大切なことは、「答え自体」ではなく「答えに至るプロセス」です。どうやって答えにたどり着けたのかという道中が学ぶべきポイントなのです。
なぜなら、勉強(学び)で手に入れたいのは「問題を解決する力」だからです。Googleで検索しても答えが出てこない問題をなんとかして解決したいのです。どんな方法でもよいので解決する力を手に入れたい。そのために勉強をしているのです。
*最近流行りのChatGPTだと何でも解決してくれるの?!
まとめ
勉強は「問題が解ける」「問題が解けない」とかはあまり気にしなくても良いのかもしれません。どのみち、時間が経てば「解けなくなる」わけですから。
それよりも折角時間を割いて勉強するなら、問題を解くときの過程(プロセス)を大切にしたいところです。
「何とか解けないかな」と一生懸命に考えることを大切にしていたら、別に答えが求まらなくても良いでしょう。そんな風に思えたら、将来大人になったときに大きな壁が立ちはだかってもきっと乗り越えることができるでしょう。