なぜ僕たちは算数を勉強しないといけないの#2(知識)

勉強法 教育 数学

なぜ私たちは算数を勉強しないといけないのでしょうか。
算数を勉強することで何を手に入れることができるのでしょうか。

私たちが算数の勉強で手に入れたいのは次の4つです。重要な順に並べています。

  1. 四則演算の計算ができることと概念の理解(計算力
  2. 各単元で学ぶ考え方の理解(単元の知識
  3. 与えられた情報から問われていることを求めようとする力(思考力
  4. 頭を使う楽しさ

前回のブログでお話した「四則演算の計算ができることと概念の理解」ができていれば、次に大切にしたいのは2つ目の「各単元で学ぶ考え方の理解」です。

これを大切にして学習していけば、高校生になっても勉強で困ることはありません。それほど大切なポイントになります。

1つ目のお話は前回のブログを一読ください。

前回のブログ

単元で学ぶべきこと

小学1年生から学校での学習が始まりますが、どの教科でも各単元で学んでいくべきことがあります。

それは「各単元の考え方」です。より具体的にいうと「ものごとをどのように捉えて、どのように考えるのか」です。より抽象的にいうと「学ぶべき対象の本質を理解すること」です。

学ぶべきことは
「各単元の考え方」
具体的「ものごとをどのように捉えて、考えるのか」
抽象的「学ぶべき対象の本質を理解すること」

例えば、5年生で学ぶ「速さ」の単元を見てみましょう。

「速さ」の学習

「速さ」の単元で学ぶことは、「『単位時間あたりに進む道のり』で動いている人や物の速さを表す」ということです。

「速さ」で学ぶべきこと
『単位時間あたりに進む道のり』で動いている人や物の速さを表す

具体的にいうと、1分に進む道のり(分速)と進んだ時間(分)が分かれば、進んだ道のりが求まるといったものです。

「速さ」で学ぶべきこと(具体的に)
分速と時間(分)が分かれば、道のりが求められる
道のりと時間(分)が分かれば、分速が求められる
道のりと分速が分かれば、時間(分)が求められる

抽象的にいえば、「速さ」の本質を理解することです。

「速さ」で学ぶべきこと(抽象的に)
「速さ」の本質を理解する

一見、当たり前のことっぽい話に聞こえますが、注意点があります。それは、公式を覚えて答えが求まれば良いというわけではないということです。考え方を理解して運用できないと「本質を理解している」ことにはならないのです。

なぜなら、学びの目的は「答えを出せること」ではないからです。

答えを求めたいわけではない

勉強っていうと、ついつい「問題集を解くことだ」と思いがちです。問題集を解いて、解けるようになったらOKなんだと。

確かに、小学生や中学生ではそれでも困らないかもしれません。けれども、高校の学習や大学受験ではそれでは通用しなくなります。

そもそも、学びの目的は「問題集の問題が解けること」ではありません。さらに、大学受験で問われることは「この問題は解けますか?」というものではないのです。

これについての詳しいお話はまた改めてできたらと思いますが、学びの目的は「本質を理解すること」です。そして、大学受験で問われることは「本質は理解できていますか?」ということなのです。

学びの目的
問題集の問題が解けること
本質を理解すること
大学受験で問われること
この問題は解けますか
本質は理解できていますか

問題集を解く理由

では、なぜ問題集を解くのでしょうか。
これには次の2つの理由があります。

  1. 本質を理解するため
  2. 本質を理解しているかを確認するため

この理由を見ると、「問題を解く」という行為自体は目的ではなく、「本質を理解する」ための一つの手段に過ぎないことが分かります。

なかなか難しいことかもしれませんが、もし問題を解かなくても参考書などを隅から隅まで読んで本質を理解することができるならば、問題集を解く必要はないのです。

学習のおいて
「問題集を解くこと」一つの手段
「本質を理解すること」目的

「本質」とは?

これはなかなか難しいテーマかもしれません。

ただ、次のようなことができるならば、本質を理解していると言えるでしょう。

  • 応用問題が解ける
  • 人に説明することができる

学びの理解を深める方法として「人に教える」というのはよく言われる手法でオススメです。実際に教えようとすると教える相手が必要ですが、これは想像でも大丈夫です。

「もし人に教えるとしたら…」という風に思って学習するのはとても効果的です。

また、自身が教える側ならば、聞き手に回って、教えたことを生徒(または子ども)に教え返してもらうのも良い方法です。

自身が学習しているなら
「もし人に教えるとしたら…」と思って学習する
自身が教える側なら
聞き手に回って、教えてもらう

本当の知識

付け加えておくと、本質を理解できて初めてそれらは本当の「知識」といえると思います。

逆にいえば、そうでないものはよく槍玉に上げられる使えない知識なわけです。これでは学びに意味が価値が見いだせません。

まとめ

なぜ僕たちは算数を勉強しないといけないのか。答えの2つ目は「各単元で学ぶ考え方を理解するため」でした。

このことは算数に限られる話ではなくすべての教科に通ずることですが、それゆえに算数にも当てはまる理由となっています。

1つ目の「四則演算の計算ができて、その概念を理解できている」ならば、次はこの2つ目の「各単元で学ぶ考え方を理解できている」ことを是非目指してみてください。