【データ】子ども(若者)の自己肯定感
*今回はひたすらデータ紹介です。
教育に携わっている者として、子どもたちの自己肯定感(自己評価)の低さには大きな問題を感じます。自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れられているかというものです。
ありのままの自分を肯定する感覚、今の自分を好意的に受け止めることができる感覚のこと。
ただ、子どもの自己肯定感はこれくらいなのか、それともやはり低すぎるのかを知るために諸外国との比較データを漁ってみました。
日本の子どもの「自己肯定感」
あまり新しい情報がないのですが、見つかった直近10年間におけるデータを挙げてみます。
「子ども・若者白書」(2014年)
内閣府が公表した「2014年版 子ども・若者白書」では、日本を含めた7か国(日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)の若者満13~29歳を対象とした意識調査の結果は次のものでした。
- 「自分の将来への希望」61.6% 最下位
- 「自分自身に満足している」45.8% 最下位
- 「自分には長所がある」68.9% 最下位
- 「うまくいくか分からないことに対し意欲的に取り組む」52.2% 最下位
- 「つまらない・やる気が出ない」76.9% 最下位
- 「ゆううつだと感じる」77.9% 最下位
「高校生の生活と意識に関する調査」(2014年)
国立青少年教育振興機構が2014年度に4か国(日本、米国、中国、韓国)の高校生を対象に実施した「高校生の生活と意識に関する調査」における「自分について(自己肯定感等)」では次のようになっている。
- 「私は人並みの能力がある」55.7% 最下位
- 「私は体力には自信がある」43.5% 最下位
- 「私は勉強が得意な方だ」23.4% 最下位
- 「自分の希望はいつか叶うと思う」67.8% 最下位
- 「将来に対しはっきりした目標を持っている」57.3% 最下位
- 「私は将来に不安を感じている」71.0% 3位
- 「周りの人の意見に影響される方だ」63.7% 3位
- 「自分はダメな人間だと思うことがある」72.5% 最下位
ユニセフ「子どもの幸福度」(2020年)
また、ユニセフが2020年に発表したレポートにおける「子どもの幸福度」では38か国中、次のようになっています。
*対象年齢は各調査によってバラバラになっています
- 総合順位 20位/38か国
- 精神的幸福度 37位/38か国
(生活満足度が高い子どもの割合、自殺率) - 身体的健康 1位/38か国
(子どもの死亡率、過体重・肥満の子どもの割合) - スキル 27位/38か国
(読解力・数学分野の学力、社会的スキル)
感想
データを3つほど挙げましたが、どれもかなり酷い結果になっています。思っていたよりも悪く、閉口してしまいます。
改善はしているらしい
文部科学省が毎年行っている「全国学力・学習状況調査」のおける結果では、次のようになっている。
- 「自分には良いところがあると思いますか」
- 2014年
小学生76.2% 中学生67.3% - 2018年
小学生84.0% 中学生78.8%
感想
2020年のユニセフの調査では、精神的幸福度が38か国中37位とほぼ最下位だったのでまだまだ大きな問題であることは確かですが、改善していっているという分析データはあるようなので最悪の事態…の一歩手前で持ち堪えているのかもしれません。
まとめ
データとしては「子どもの自己肯定感」についてになりますが、「大人の自己肯定感」を調査しても諸外国と比較して日本は低いと感じます。
一昔前と違い、この目まぐるしい今の時代において自己肯定感は必要不可欠な一つの力です。
自分の子ども、次の時代を担う世代、国際社会における日本の立場、どの視点に立ってみてもこの問題を解決する必要があります。個人ができることは限られていますが、自分の子ども、周りの子どもたちの自己肯定感を大切にしたいところです。