【偏差値+10】子どもにもっと考えてもらう方法(ポイントは1つだけ)
中学受験の算数で困っている子どもたちってすごく多いですよね。でもきちんと学べば算数なんて別に難しくありません。算数の偏差値を簡単に+10にするプロがちょっと秘密をお教えします。
子どもの算数を見ていて「もっと考えてほしい!」と思うことはとても多いと思います。ここでは、特に多い算数の勉強での「考える」についてお話していきます。
算数ってどうやって「考える」の?
子どもが算数を解いているときにありがちなのは、
- 問題文をじっと見つめて(or 天井を見つめて)
- なんとなく式だけを書いて(or 式すら書かず)
- 計算して出てきた数字に単位をつけて答えにする
誰に教わったわけでもないのでしょうが、みんな同じような感じです。これでは学びになりません。これをやり続けても得るものなんて何もないでしょう。
なので、これを見兼ねた親や先生は決まって「もっとちゃんと考えなさい」と言います。確かにもっと考えないといけません。でも、子ども側の言い分をここで僕が代返すると
といったところでしょうか。大人だって、上司に「もっと考えなさい」と言われて、それで考えるようになって解決するとかないですよね。
ただ「考えなさい」ではなく、きちんと考え方を教えてあげることが大切です。では、算数ではどうしていけばよいんでしょう。子どもにきちんと考えてもらうのにプロ並みのスキルや経験がいるのかというと、全然そんなの不要です。
考えるために必要なことは書くこと
「考える」と言われると「頭の中で考える」と思っている方がすごく多いですが、実際は違います。頭の中ではなく「紙の上で考える」のが正しいのです。
- 思考をするのは ⇒ ×頭の中 〇紙の上
もし「頭の中で考えられますけど」と思うなら、それは紙の上で練習した結果、頭の中で思い描くことができるようになったというだけです。
では、子どもが算数をしていて悩んでいる場合、どのように考えることを促していくかを見てみましょう。
【偏差値+10】
子どもにもっと考えてもらう方法
今回は次の問題を考えてみます。
1階から3階まで上がるのに10秒かかるエスカレーターと、1階分上がるのに3秒かかり、各階に同じ時間ずつ止まるエレベーターがあります。A君はエスカレーターで、B君はエレベーターで同時に1階を出発したところ、同時に6階に着きました。これについて、次の各問いに答えなさい。ただし、エスカレーターの乗りかえの時間はかからないものとします。
【設問】
(1) 2人が1階から6階まで上がるのにかかった時間は何秒ですか。
(2) このエレベーターは1つの階で何秒間止まりますか。
悩んでいる場合、「お話の絵を描いてみましょう」という声掛けをしていきます。上手く描けない場合、お話の始めから読みながら順番に描いていってもらいます。
お話を分けて順番に描いてもらいます
- 1階から3階まで上がるのに10秒かかるエスカレーターと、
- 1階分上がるのに3秒かかり、各階に同じ時間ずつ止まるエレベーターがあります。
- A君はエスカレーターで、B君はエレベーターで同時に1階を出発したところ、同時に6階に着きました。
ここで大切なのは次の3つだけです。
大切なポイント
- 問題文に出てきた数字はすべて絵の中に書き込むこと
- 基本的に絵は1つだけにすること
※複数描く場合、できるだけ関係性がわかるように描く - 計算で出てきた数字、特に求まった答えは絵に付け足すこと
では、早速始めてみましょう。
「1階から3階まで上がるのに10秒かかるエスカレーターと、」
絵を描けるタイミングのところまで読んであげて、「ここまでの話の絵を描いてみよう」と促します。
どんな絵でも大丈夫です。すっきりと大切なことだけを描くとか始めから出来ません。楽しく絵を描いてもらいましょう!
① 「1階、3階、10秒、エスカレーター」がきちんと描けている
② 2階が登場していないと困るので、それも描けている
「1階分上がるのに3秒かかり、各階に同じ時間ずつ止まるエレベーターがあります。」
次のところですが、ここで大切なことは、先ほどの絵と分けて描かないことです。分けてかくと関係性が不明になってしまいます。
① 最初の絵の1階、2階、3階にエレベーターを描いている
② 各階の間に3秒と書いてある
「A君はエスカレーターで、B君はエレベーターで同時に1階を出発したところ、同時に6階に着きました。」
ちょっとこの辺りまでくると、絵が混みいってきます。色ペンを使っても構いません。あまりカラフルな絵は良くないですが、1,2色を使う分には問題ないです。少しでも分かりやすい絵を描くことを心がけてもらいます。
また、問題文が20階とかなら途中は省略しないといけませんが、6階なので描いてよいでしょう。算数が得意でないならできるだけ描いたほうがいいです。
① ごちゃごちゃになっていないこと(色ペンOK)
② 4階、5階も描いてある(ベター)
問題文の絵を描いただけでも解きやすくなった!
これで、問題文の絵が完成しました。ここまで描いたら分かりますが、問題は半分以上解けた感じになります。これは
ってことですね。ちなみに、ここまではまだ設問(1)、(2)は読んでいません。子どもがせっかちで答えをすぐく書こうとするなら、問題文の絵が描けるまで設問は隠しておきましょう。
絵が描き終わったら問題を解こう
ここまで絵ができていると山場は越えています。解いていきましょう!
まずは設問(1)
(1)はいけそうですね。解けない場合のヒントは
って感じで、見るところを絞ってあげます。それでも分かりにくいようでしたらB君のエレベーターの絵を隠して、A君だけの話を考えるようにしましょう。
また、少しでも悩むようでしたら、上の例のように式の計算で出てきた値に単位を付けてもらいます。単位を考えてもらうと何が求まっているかを考えるきっかけになります!
また、途中で求まった値や答えも絵の中に必ず書き込むようにします。ここでは5秒と25秒をきちんと書き込みましょう。
① 出てきている数字に着目
② 単位を気にする
③ 求まった値は必ず書き込む ←超重要!
次に設問(2)へ
これはちょっと難しめ。(1)で求まった25秒から話を続けていきます。算数は(1)が必ずヒントになっています。それを意識させましょう。そうすると、エレベーターが止まった合計時間が25 – 15 = 10秒だとわかると思います。
問題はこの後です。エレベーターが止まった回数は4回なのですが、ほとんどの子どもは5回にしちゃうと思います。まぁ、出題者が意図しているひっかけですね。もし「÷5」と書いてしまっていたら、「止まった回数を考えないと」と促し、それでも5回というようなら、印を入れてもらいます。そうすると、さすがに気が付きますね。
これで無事解けました。
絵を描くことで思考が始まる
このように見てみると、絵を描くことによって手に取るように思考が進んでいることがわかると思います。経験を積んだ大人はこれが頭の中でできるので絵は不要ですが、まだまだ経験の乏しい子どもたちには絵が必要不可欠なのです。
「考えなさい」から「絵を描いてみよう」に声掛けを変えるだけで、子どもの思考力はアップしていくんです!
是非、お試しください。超おすすめです!