「英語が苦手」という言葉
「苦手」という言葉を聞いたとき、みなさんはどのように感じますか。
Googleの検索キーワードの情報によると、ネットで「苦手」という言葉と合わせて検索される言葉は「英語」が多いようで、「英語 苦手」が検索件数ナンバーワンになっています。
「英語が苦手」というのは、塾の授業でもよく耳にするワードです。実は、わたしはこの言葉にとても違和感を覚えます。
「英語が苦手」の意味
生徒に「英語が苦手なんです」と言われたとき、わたしはよく次のような返事をします。
この返答に、ほとんどの生徒は「えっ…?」みたいなリアクションをとります。私の回答が想定外なのです。
でも、よく考えてみてください。あまり練習していないことを「苦手」と表現するのは少し変ではないでしょうか。
「苦手」とは?
たとえば、次の言葉はどのように聞こえますか。
話相手がこんなことを言うと、「えっ、宇宙飛行したことあるんですか?!」って思いますよね。なぜなら、「宇宙飛行、繰り返し練習してるけど上手くいかなくて…」というように聞こえるからです。
そうです。「苦手」という言葉は、何度もトライしてみたけど上手くいかないというときに用いる言葉なのです。つまり、「英語が苦手です」というのは、「英語を懸命に勉強しているけど、上手くできるようになれません」という意味なのです。
「繰り返し練習したけど上手くできない」という意味
まれに「一生懸命にやってるけどできません」という生徒がいるのは確かです。でも、ほとんどの場合は、あまりやってないからできないのです。これは「苦手だ」とは言えません。
「苦手意識」を払拭する
ただ、このようなやり取りをするのは、言葉の使い方を正してほしいからではありません。もちろん、言葉を正しく運用してほしいですが、この場面では異なります。
ここで生徒に伝えたいことは、「あまりやってないんだから、できなくて当たり前ですよ」ということです。「苦手ではないんですよ」ってことなんです。
やってない
➡ できなくて当たり前
➡ 苦手なわけではない
苦手意識を持ったまま改善することはほぼ不可能です。まずは苦手意識を払拭する必要がありますが、大抵は「本当に苦手」なのではなく、単なる「捉え間違え」なのです。
ただ、長年の勘違いから「苦手だ!」という気持ちが染みついているのは確かです。気持ちはそう簡単には変えられないかもしれませんが、とりあえず理屈として「苦手って思うことは間違いなんだ」と知ってもらうことは大切になります。
まとめ
苦手意識というのは思っているより厄介なものです。
正直にいうと、わたしは「勉強は大切だ」とはあまり思っていません。ですので、勉強をしないこと自体は別にいいかなって思います。
ただ、勉強をしていないのに「苦手だ」と思うのは損以外のなにものでもないので、思わないようにしてほしいです。
なぜなら、勉強をしていなくても苦手意識を持っていなければ、本人の目標や夢が決まって勉強が必要だとなったときに、何の抵抗もなく勉強することができます。そして、そういう生徒はものすごく楽に勉強ができるようになれるのです。
嘘だと思うかもしれませんが、これは事実なのです。