【化学ってこんなお話】原子という名のブロック

化学 受験

この「化学ってこんなお話」のコンセプト

教科書、参考書、問題集、それらが悪いというわけではないけど、なんか楽しくないですよね。そこには載っていないお話ができればいいかなと思っています。高校の『化学基礎・化学』の勉強を始める前に、知っておけば化学に親しみが湧き楽しくなるお話をしていきます。

化学の始まりは「錬金術」

昔の人は思いました「石ころを金に変える方法はないかな」と。これが錬金術ですが、いわゆる化学の始まりです。錬金術師は他にも不老不死の薬にもトライしています。今思えばチャレンジャーですよね。当然どちらも失敗に終わっているわけですけど。

ただ、「失敗は成功の母」ではないですが、得られたものもあります。

世の中のものはすべて「原子」で出来ている

色々な実験をしているうちに、ある1つのことに気が付いたんです。

世の中のすべての物は原子というめっちゃ小さいブロックでできている

これが現代化学の始まりです。世の中のすべての物がレゴブロックみたいなブロック(原子)で出来ているっていうわけです。山も海も、ダイヤモンドもサファイア、金属やプラスチックも、そして生き物、つまり僕たちでさえも!しかも驚くことに、これらのすべてがたった90種類ほどの原子ブロックでできているということなのです。自分が90種類のブロックで出来ているって、すごくないですか!

世の中にはマメな人がいるようで、ある人がこの原子ブロックの種類を綺麗にならべて表にしていたんですね。それが教科書の見開きに載っている周期表というものです。

周期表とは、存在している原子ブロックの全リスト(メンデレーエフ作)

周期表には実験室で人工的に作られた原子も含めて118種類ぐらい載っていますが、天然で見つかっているのは90種類ほどのようです。

「原子」ってどれぐらいの大きさ?

ところで、僕たちも原子というブロックみたいなもので出来ているらしいですが、想像できません。それもそのはず、実はこのブロック、めちゃくちゃ小さいんです。たとえば、

コップ1杯(180 mL程度)の水の中に入っている原子の粒の数は
約1,800,000,000,000,000,000,000,000個ぐらい
(万、億、兆、京、がい、じょ、じょう…?読めないです)

らしいです。僕も数えたわけではなく聞いた話なので「らしい」としか言えません。ただ、言えることはこれを数えた人はやばい人です。なぜかというと、仮に1秒に1粒の速さで数えたとすると、

1分で60粒
1時間で3600粒
1日で86,400粒
1か月で2,592,000粒
1年で31,536,000粒(約3000万粒)

計算を楽にするために1年で3000万粒だと考えると、コップ1杯を数えるのに実は600,000,000,000,000,000年かかります。60京=600000兆年となっているんですが、宇宙誕生が約138憶年前ということなので…。意味不明ですよね。これ、誰が数えたのって感じです!人類70憶人が全員協力して数えたとして、1人あたり8500万年ぐらいかかる計算です。6500万年前の恐竜絶滅以前から数え始めないととても間に合いません!!人類の誕生は400万年前とからしいですけどね!?

と、まあ、ついついどうでもいい計算をしてしまいました。なんせ、コップ1杯にとてつもない数の原子が入ってるんです。もう1つ、小さいというのが分かる話としては、ノートの紙1枚の厚み0.1mm弱ぐらいなんですが、この幅に原子が100万粒ほど並んでいるようです。もう、マジでちっちゃい!!!

こんな小さいブロックが果てしなく引っ付いて、人間が完成しているわけですね。ん~、本当なのかな?

本日のお話の詳細

錬金術

3世紀頃の古代ギリシアで行われていたという文献が現在の最古の情報。錬金術の最大の目的は、石を金に変え、人を不老不死にしてくれる賢者の石を作り出すことでした。そこから、無生物から生物を作り出すホムンクルスの話につながっていきます。よくゲームに出てくるエリクサーもこの話から出てくるものですね。

元素は原子

「世の中のすべての物質の元になっているもの(=元素)ってなんなの?」という疑問は昔からあったようで、いろいろな意見がありました。「火だ」と言う人もいれば「数だ」と言う人もいたようです。その中に「アトモスだ」と言った人がいて、これが今の原子(英語atom)になっています。アトモスとは、これ以上分けることができない物質という意味のようです。ギリシア語なのかな?

周期表

周期表は性質の似ている原子を縦に並べてみると規則性があったというようなもので、最初に作ったのがメンデレーエフ(ロシア人の化学者)という人です。1869年のお話で、日本はちょうど明治維新の頃ですね。周期表は化学を勉強する上で必要不可欠なものになっています。そのうち詳しくお話しますね。

コップ1杯の原子の数

ちょっと知識としては先のお話も入っています。
コップ1杯180 mL = 180 gとして計算しています。水H2Oの分子量18より
  H2O分子 10 mol
つまり、
  H原子とO原子が合わせて30 mol
1 mol = 6 × 1023 粒なので
  原子の合計は30 mol = 1.8 × 1025
となっています。
ちなみに、これは数えたのではないんですね。数えられる数じゃないですからね。実験データから計算するとこんな数になるってことです。

≫2話 原子ってどんなもの?(原子の構造)