【化学ってこんなお話】原子ってどんなもの?(原子の構造)
この「化学ってこんなお話」のコンセプト
【化学ってこんなお話】原子ってどんなもの?
(原子の構造)
前回のお話で、原子がものすごく小さいものっていうのは分かったと思います。
その原子をちょっと拡大して観察をしてみましょう。ここでは原子の代表として水素原子Hくんに登場してもらいます。
地球の周りを月が回っているように、原子核の周りを電子が飛び回っている様子がわかりますね。僕が中学生の時だったかこの話を聞いたときは、実はこの原子核には地球と同じように人みたいなのが住んでいるんじゃないのかなって思いました。もし地球と同じ感じならそこに住む人なんてマジでちっちゃいので、現代の科学技術力では分からないんだろうって。ん~、新説かもしれませんよね!(妄想は自由です!)
話を戻すと、この全体が水素原子という原子ブロックなんですが、その詳細データを見てみましょう。
水素原子のデータ
- 原子の直径 約0.1 nm( = 0.0000001 mm)
- 原子の質量 1
- 持っている電子 1個
原子の直径
水素原子は、100個ちょっとある原子の中で最小で、直径が0.1 nmほどです。ここでnm(ナノメートル)という単位が出てきていますが、これは
1μmの1000分の1 ⇒ 1nm(ナノメートル)
つまり
1 nm = 0.000001 mm なので
0.1 nm = 0.0000001 mm
という大きさで、ナノは原子サイズの世界(ナノワールド)で用いている長さの単位になっています。原子サイズで作られた機械をナノマシーンと言ったりしますね。いずれにしても、原子の世界はナノの世界なのです!(すいません!)
原子の質量
原子はとても小さくて超軽いんですが、それでも質量がないわけではありません。ただ、その中でも電子は超超超軽いんで(原子核の質量の約1840分の1)、電子の質量は無視してしまいます。つまり、
と考えてよいわけです。次回詳しくお話しますが、
となり、全原子の中で最も軽く最もシンプルな原子となっています。
持っている電子の数
各原子が持っている電子の数というのは、化学のお話をしていく上で重要なものになっています。化学の最初の話では特にそうで、ちょっと気にするようにしてもらえたら、絶対損はしません!
ちなみに、最も小さい原子である水素原子は電子も1つしか持っていません。というか正確には、電子を1つしか持っていない原子を水素原子と言っています。
ここで原子核をもう少し詳しくみてみましょう。
原子核の中身は陽子と中性子
ここでは2番目に軽い原子であるヘリウムくんHeに登場してもらっています。ヘリウムの原子核を見てみると、原子核は大きな1つの球なのではなく、陽子と中性子というものが集まって出来上がっていることがわかります。
ここで陽子と中性子の特徴を見ておきましょう。
- 陽子の質量 = 中性子の質量 = 1
- 陽子は電気的に+(プラス)
- 中性子は電気的に中性(プラマイゼロ)
陽子の質量と中性子の質量はほとんど違いがありません。なので両方とも質量を1と考えます。ヘリウムの図を見てみると陽子2個、中性子2個あるので、ヘリウムの質量は4という計算になりますね。また、原子核は陽子を持っているため、電気的にプラスになっています。まあ、ビリビリしているっていうイメージです!
こんな話になると、僕の新説「原子核に人が住んでいる説」はちょっと厳しくなるかもしれません。原子核はボコボコな形でさらにビリビリしているってことなんですからね…。
本日のお話の詳細
最も軽い原子:水素原子
水素は全原子中で最も軽い原子です。そのため、水素ガス(水素原子でできた気体)は昔、飛行船とか風船に使われていました。軽いので浮くわけですね。ただ、水素ガスには引火性(火がつく性質)があるので今では2番目に軽いヘリウムという気体を使っています。
原子核の大きさ
僕の書いた絵では原子核は小さくない雰囲気ですが、実際には原子核の直径は原子の大きさの10000分の1程度らしいです。これは、原子のサイズを野球の球場(直径200mほど)ぐらいだとすると、原子核は1円玉(直径2cm)ほどだということになります。
でもこれを知るとスカスカじゃんって感じですよね。壁も原子で出来ているので、実際にはスカスカです。僕たちももちろんスカスカです。なのでここだけの話、このスカスカを利用したら壁をすり抜けることは不可能ではないんです!(マジ!?)