学校を偏差値だけで追い求めたときのデメリット【詰め込みの2つの弊害】

勉強法 受験 教育

前回のお話の続きになります。

詰め込みによる子どもたちのデメリット
【大きな2つの弊害】

前回のお話

  • より偏差値の高い学校に合格するために、厳しい進学塾で詰め込みをして成績を上げることにメリットはありません

ということでした。詳細は前回を参照してもらえたらと思います。
前回≫【実態】学校の偏差値だけを追い求めてはいけません【受験での成功とは】

ただ、ここで大きな問題なのは、詰め込みにはメリットがないという点ではありません。メリットがないどころか、実際には「え、これヤバくない?」っていうレベルのデメリットがあるのです。

ズバリ、詰め込みのデメリットは「学力が全く上がらない!!」ということです。

学力を上げずに偏差値って上げれるの?

まず前提として「学力を上げずに偏差値を上げることができるのか」ということです。

答えは「できます」。そんなマル秘テクニックとかじゃありません。超かんたんな方法でできます。

一応、その手法をお伝えしておきます。悪用されると問題だという類のものではなく、無知によるところからこんなことをしている塾なんてたくさんあります(キッパリ)。

学力を上げずに偏差値を上げる方法 *取り扱い注意

  1. 先生の言うことに従うような環境をつくる
  2. 鬼のように授業を受けさせる
  3. さらに鬼のように宿題を出す
  4. 先生が言ったことを何も考えずにするようにさせる
  5. できるまで、覚えるまで、家に帰さない

先生側の作業としたら簡単極まりないものです。ひたすらプリントを作って、配って、やらせるだけです。あとは生徒たちにいかにそれに疑問を感じさせず淡々と従順にこなさせるかということです。これができれば、生徒たちの成績は上がります。つまり、偏差値が上がります。もちろん、入試本番の問題も大半が空所補充なので、処理することができて、めでたく合格となります。

ちなみに、このことに疑問を感じてしまった生徒たちは落ちこぼれになります。怖ろしい世界ですね。本当は落ちこぼれじゃなくて、自分で考えようとして、疑問を感じたら立ち止まれる生徒たちなのに!!

「なんで塾はそんなことをするの!?」って思った人は人が良すぎです。よく考えてください。塾は聖人君子が集まってボランティアをしている場所ではありません。塾は営利を目的としたごく一般的な会社です。

塾という会社が掲げているサービスはほとんどの場合「志望校への合格」です。

受験において効率よく偏差値を上げて、志望校へ合格してもらう

というのが学習塾の提供しているサービスなのです。なので、塾の窓口に行けばまず聞かれることは「どの受験コースが希望ですか」となります。

この効率よくという点と、受験が終わったら「はいさよなら」という点で、塾は学力を上げる必要がなく、ひたすら偏差値を上げるサービスを提供することになります。

ちょっと話が脱線気味になりましたが、学力を上げずに偏差値を上げるということは簡単にできてしまうんです。ただ、手っ取り早く偏差値を上げてしまえる魅力(?)に飛びついてはいけません。

ここで、この詰め込みによる2つの弊害についてお話していきます。

1つ目:時間を無駄にしてしまっている

時間は有限にしかありません。当然、子どもが大人になるために持っている時間も限られています。そのため、机に向かった時間分の成長はしなければいけません。

ところが、上記の偏差値を上げるためだけの作業は、学力を上げることは一切していないわけです。試験直前の詰め込みぐらいなら良いですが、何年間も毎日毎日してしまうと

  • 勉強に膨大な時間を注ぎ込んだのに、学力は全く上がっていない

という状態になってしまいます。これは明らかに時間の無駄です。時間をどぶに捨て続けていることになります。しかも、大切な子どもの時間を

この学力が上がっていないという事実は、表面上は偏差値が上がっているように見えるので気が付きにくくなっているのですが、年を経るごとに成長してなければいけない学力が全く上がっていないという状況なので、さらに弊害を引き起こすことになります。

2つ目:悪い勉強法での成功体験

このまずい状況が発覚するのは中学生以降です。中学生になると数学と英語が始まり、高校の学習内容を経て、大学受験へとつながっていきますが、そこでついていけないということになります。

ただ、問題はそれだけでは済みません。さらに困るが

  • 勉強法が悪いことが原因なのに、受験においてそれで成功してしまっている

ということです。このため、その勉強法を続けてしまうことになります。ついていけない状況を一生懸命にカバーしようとしても抜け出せないということになるわけです。

「詰め込み」のような方法で偏差値を上げてしまった場合、ほとんどの場合で上記のような泥沼にはまってしまうことになります。

まとめると

前回のお話も含めて、すっきりまとめてみると

詰め込みによるメリット
・なし(偏差値が上がっているように見えるだけ)
詰め込みによるデメリット
・学力が全く上がらない
・変な成功体験のせいで悪い勉強癖がつく

詰め込みによって表面上の偏差値を上げるということは絶対におススメできないというわけです。できるわけありませんよね!